黒戸尾根
そして甲斐駒ケ岳
(2967m)



コース
【一日目】 横手駒ケ岳神社(10.40)〜竹宇分岐・笹の平(1.15)〜刃渡(15.20)〜五合目小屋跡(4.40)〜七丈小屋(5.50)

【二日目】七丈小屋(5.05)〜八合目(6.11)〜駒ケ岳山頂(7.45)〜駒津峰(9.20)〜双子山(10.00)〜北沢峠(11.20)


7月18.19日


去年の金時山の山頂で「milkさん来年は黒戸尾根から甲斐駒に行こうと思うの・・行きませんか??」
reiさんの言葉がきっかけになり今回の山行となった・。

このコースは2200mの標高差を登る本格的なコースとの事。
今までの経験からそんなに登るの私には到底無理・・だと思う。

同行するのも迷ったけど甲斐駒には是非行きたい山だったので迷惑かける覚悟で参加した。

静岡にお住まいのreiさんは始発の電車に乗っても日野春駅には10時前に着くのが精一杯との事・・
10時に駅で待ち合わせ!

こんな時間に入山するのは滅多にないけど泊まりなので問題もなく
早起きしないのでしっかり睡眠が取れるのも今回はとてもペースよく登れた一つかもしれない。

10時に大きなザックを背負ってreiさんが「ひさしぶり〜♪」と顔を見せた。。
ここから横手駒ケ岳神社の登山口まで行く。
神社の奥様が外に出てきて名前を記入して下さいとの事。
記入の代わりに登山届けを出して神社に登山の無事をお願いして進む。
ここまで車で来るより日野春近くの「オオムラサキセンター」に駐車して
タクシーで来た・

車道を少し歩きまもなく登山道に進む。

急登と頭から離れない言葉に最初っから〜???

竹宇の駒ケ岳神社から登る人がこちらよりも多いそうだが
こちらも緑が綺麗な登山道だ・・
竹宇からの合流する道までコースタイムで2時間40分とは・・
今日はどうなるかな??

とりあえず黙々と登る・・というか今回はいろんなおしゃべりをしながら進むので
もしかしたら行けそうな気がする・・。

何しろあの大きなザックを見たらその半分ほどしかない荷物に頑張らざるをえないよねー
reiさん何キロ??
え〜と16キロくらいかな??
ギョギョ・・凄すぎ。。。


一年ぶりの話は止まる所知らず。。。

樹林帯の中では雨だかなんだか冷たいものが落ちてくる。
合羽だけは着たくないけど、ザックだけカバーをしましょうか?
ぬれると重くなるから・・
夫婦2人で歩くと気がつかないことも教えてもらえる。。

そろそろお腹も空いたねーなんて言っておにぎりを食べる。
あたりは何処もぬれてるので座る事もできずにたったまま・・・

のんびりも出来ずにもう少しで着くかな・・なんて思ったときに分岐の標識が・・
笹の原が広がる笹の平です・。
少しだけ休憩をして
いよいよですよ〜〜〜


身体とは不思議なもので、日帰りなら日帰りの身体になり
こんな急登ならそれなりに覚悟(笑)が出来た身体になり・頑張ろうとペース配分をしてくれるようです。

「八丁登り」
いきなり登りです・・いきなり????
そんな気持ちで登り出す、汗が出て雨が落ちてタオルがぬれまくり。。

登りきると平らになりまた登り・・そんな繰り返しと書かれた居たけど・・
平らな道になると歩きやすくて
reiさんはこんな道いいねールンルンだわ・・・だって・・さすがだぁ〜
私も一緒になってルンルン・・(⊃∀`* )エヘヘ♪

途中、水でえぐられ路が荒れてしまっている部分もところどころにあったりする。
樹林帯の中で、何度か登りを繰り返すと相当な汗が・・
話が止まると私も私も危険かも・・とreiさんは言う。


夫婦2人で登る山はいつも殆ど無言・
高山病らしき症状は必ず出る・・中年のご婦人たちが話すことがよくあるねーと思うほど
元気に山に登ってるのはこのお喋りパワーにあると私は思ってる。

だから今日はとても嬉しいし・たくさんお喋りできる・・。
大きなザックでこれだけの登りでお喋りをするのはとても大変だと思うけど
「冬山の訓練だからいいのよ」とreiさんは笑顔で話す。

この辺りで人に会う、
昨日泊まってきたらしい・・
今この辺り歩いていて何処に泊まるの??
そう言われる・いや〜七丈小屋まで行きますよ・・五合目あたりだね・なんて言われる。
日野春駅のタクシーの運転者もこれから登るなら七丈には行けないね・そう言われてきた。

いやいや・・快調に進んでますよ。。
平坦な道も楽しく歩き、いつの間にか登りになっていたり・・
あのいつもの「辛い」がない・
八丁のぼりと言ってもそれ程ではない。
緑も綺麗です。

キノコがやたらあったりして話題も一杯。
樹林帯の登りはきついきついとあまり思わずに・・
先に行く夫が「あ〜〜」と何か騒いでいる。


開けた所に出ると
これがあの危険な「刃渡り」らしい・・
青空も見えて・・
明日が晴れれば今日はこれでも十分と満足して刃渡りでピースサインなぞ。。

ここを過ぎてから刃利天狗までは梯子や大きな岩が出てくる。


甲斐駒ケ岳はやはり信仰の山である事があちらこちらに石仏が安置されている・
苔むした登山道は雰囲気も中々いい・・

黒戸尾根が相当きつい話しか聞いていなかった割には
それほどの事もなく雰囲気のいい登山道だ・。

刃利天狗からまたしばらく急登が続き平らな道も続き
今度は下る・・
え〜下るの??勿体無いな・・ってまたこれも上り返すんだ(それは厳しいかも)
下る途中に5合目小屋跡がある・・広いスペースでテントを張るにはよさそうですよ。

ここを過ぎてもまだ下る・。
下りきった所に大きな1枚岩がありその足元には祠が祭ってある。
ここからが梯子が続く・。
 

滑りそうな梯子で這い蹲って登る・これが一番安全かも・・
何個かの梯子や鎖があり・・ゆっくり登っていく事にする・。

こんな景色も・・鳳凰三山の後ろに富士山が小さく


登ってから下り30分もすると橋に出る・・
これでそろそろ小屋近しかな??



ここからが驚くほどの梯子とくさり

途中で下りて来た人が「垂直の梯子があったりするから気をつけて」って言われたけど
今までそんな物がなかった・・
それがこの最後にきてありましたよ・・。
まっすぐに伸びる梯子が・・・
本当にまっすぐなんです・・。
ゆっくり呼吸を整えて・・そうそう・ゆっくり登れば大丈夫!!
要所のたびにreiさんに励まされて・・

もともとこんな場所が嫌いではない私なのですから・・(*`▽´*)
ただ濡れた梯子が滑るのだけが注意です。。

いろんなレポを見ていくと突然小屋が現れる・と書いてあったけど・・
まだかな・・
小屋のにおいが全くしない・
この最後が体力気力共に一番の頑張りどころです・。
思いザックを身体と一緒に持ち上げるのにもそろそろ限界か・・・
そう思う頃に先に行く隊長から「小屋だよ」

やった〜〜♪

小屋はストーブがガンガンで暖かかった・・
私達が最後のようで小屋には約20名弱。

まず握手
やったね・reiさん・Σd(ゝ∀・)ァリガトォ♪
やっぱりあの尾根は一緒でよかったねとreiさんも。

宿泊の申し込みをして
シュラフを持ってきたので素泊まり3500円です・
ここで七時までに食事をしてください・・と指示をされ、このやかんのお湯を使っていいですよ・
あまり愛想がある小屋番さんではないけど優しい方でした。

今夜は海鮮丼。全てreiさんが準備してくださいました・ご馳走様!



7時になるとみんな部屋から出てください・布団を敷きますから・・と言われ
外に出てお話を・・
白州から来た若者達は明日3時に出発で甲斐駒から仙丈まで行くとの事。。
元気だな・・。


鳳凰三山に寄り添うように富士山の姿も見える・・
さぁ〜明日は快晴かな・・
・・と思ってとさっきの小屋番さんが
「明日は今日より悪いよ」
「え〜〜〜」
天気予報は明日はいいと言うので来たのに・・
「いや午後からならいいかも、みんなが山を下りるとよくなるなー」
そうなの??


夜はストーブがついたまま就寝・・
暑すぎて眠れない・・今夜はこんな時のために睡眠導入剤を飲んだ・
今まで飲んだ事がなかったけど、前にかつとんさんに聞いて
病院からいただいた・・知らない間に3時を迎えた・・

二日目

3時からざわざわと出発準備をする人達が動き出し
徐々に人が減り、私達が最後になった・・

約5時に出発・・まだ雨は降っていない、
朝食を取る人は誰も居ない・・こんな小屋もあるんだな・・
だから朝は小屋番さんにも会うことなく「お世話になりました」

朝一番からの急登は力が出ない・・筋肉痛は出ていないけど力も出ない・



そしていよいよ降り出した。
合羽を出さざるをえなくなって来た。
8合目の石碑の前で合羽を着込む。
大きな鳥居があったらしいが無残に壊れ落ちていた・。


大粒の雨が合羽をたたく・・。

足元にはやっとハクサンイチゲも咲き出してる・
ツガザクラやコケモモ、ハクサンシャクナゲなどが可愛い・・
もうカメラを出す元気なし・
手がかり足がかりを探しながら大きな岩をよじ登る・・。



大きな岩の上に奉納された剣が二本立っている、
ここに登りこれを立てた信仰の深さを感じる・。


下に着いてから気がついたけど信仰の山らしいいくつもの石仏、ツルギ等は
やはり本来の登山道である黒戸尾根からならではと思った。。


(モデルは他人)
稜線に出ると、雨、風が強くて何度か吹き飛ばされるような感覚で
よろけてしまう・・岩に伏せてちょっと時間を取る・・。
これ台風??
それ程強く感じる強風。

黒戸尾根は七丈小屋までではなかったのだ・・

出発から2時間半で大きな祠のある駒ケ岳神社本社に着く、


ここが山頂かと思ってここで引き返す二人が居た・・実は私もここが山頂かと記念写真など撮った。。
先に行って山頂の標識があって初めて知った。。
 
 
山頂でゆっくりなんて出来なかった・・寒くて手が冷たくなってきて・・
殆ど休むまもなく下り始める・。
下りは北沢峠に向かう。

カメラも出さずに歩くだけ・でも歩きやすい道でした・・
今は甲斐駒ケ岳の登山ルートとすればこちらが人気になってるようですが
今日のこの天気では登る人もそれ程会うこともありませんでした。

何人かの人達が登ってきて少しづつ話をする。。
途中から引き返してきたのかとか、何処から来たのかとか・・

reiさんが少し自慢げに言っちゃった・・「昨日黒戸尾根から・・」
そうそう・・頑張ったもんね・・凄いねー

ガスガスはいつまでも切れることなく少し先さえ見えず、雨も時折激しく降ったり・・。
これも含めて今日の登山です・・残念だけど晴れた日ばかりではありませんから仕方ないです・。

この雨で今回は摩利支天はパス。
reiさんは甲斐駒今回でそれぞれのコースで三回目との事。
こんな天気は初めてらしいけど諦めます。

合石の標識を過ぎると何処からか
「オーイ」の声が・・全くガスの中で何も見えない・
ちょっとの切れ間から目の前の大きな岩の上で白いものを振ってる人が叫んでいる。
道がわからなくなったらしい・

大きな声を出しても途中で消されてしまうような状態だったけど
どうにか何人かの誘導で下りてくる事ができた。
途中から摩利支天に登ってるような気になってしまって道迷いしてしまったらしい。
周りが全く見えないでこんな天気の日にあまり人も通らず
心細かった事でしょう・・。
やはり一人は怖いと改めて思った・・。


相変わらず大きな岩を登ったり狭い岩を登ったりまだまだ続くのか??
何も見えず感動もなくの下りは少し寂しいものがある・・。
やっと樹林帯に入り風も雨、風も静かになり安心しながら下る・・。


駒津峰で・・

ここから双児山と仙水峠の分岐となりここを双児山方面へ
ここから1時間50分で着くよ・・






北沢峠まではもう下りだけ・

甲斐駒も何も見えず・・これはまた来なくっちゃねー

何処に行って来たのかバスを待つ人はたくさん居た・臨時バスが出たりして・・
ここから広河原(ここでreiさんとお別れ)〜甲府までバスを乗り継ぎ甲府から日野春まで電車で駐車場まで戻った。

reiさん・大変お世話になりました。
ピラミダルな山頂きっと見てきますからね・・。




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